地獄の釜が開く
何年か前に書いた記事です。
もうニ十年も前に人から聞いた話ですが、お盆の頃に体験した怖い話です。
その方の三十年以上前の体験談です。
その人が友達何人かで北海道を車で旅行したときに起きた怖い実話です。
場所は忘れてしまったそうですが北海道旅行に行った時の話で場所は北海道の田舎だったそうです。
その日は目的地まで、友人達と一台の車で夜の真っ暗で灯りもない長い道を走り続けていました。
ようやく一つの灯りが見えてきました。夜も遅い時間でしたし、長い時間走って来たこともあり、みんな疲れ果てていました。
そこで灯りのついているこの場所で、みんなで仮眠をとることにしました。
その知り合いの人は外の新鮮な空気を吸いたいので灯りの付いている門の様な所で、仮眠を取ったそうです。
寝てからどのくらい経ったのでしょうか、寝ている自分の周りで足音がするのに気が付きました。
足音は靴音ではありません。何だかわらがすれる様な音、そうです『わらじの音』です、それに人の『ひそひそ声』も聞こえます。
その騒がしさに薄目を開け、周りを見渡しました。
薄目を開けてその人の目に映った物は、『わらじを履いて着物を着た者達』です。
その人わらじを履いたもの達はその人を大勢で取り囲んで、ひそひそと話をしていたのです。
そのもの達の様子は見るからに恐ろしい顔をしたもの達だったそうです。
その様子を見た瞬間、その人は必死に抜けそうになった腰で立ち上がり、車に飛び乗り友達に早く車を出すよう怒鳴りその場から逃げ出しました。
その後、その人達が仮眠を取った場所はお寺の山門だったことがわかりました。また、その日は8月16日の盆送りの日だったこともわかりました。
昔から『お盆に地獄の釜が開き一斉に釜から飛び出した様々な霊がお釜が閉まる送りの日に帰って来る』そんな言い伝えがありました。
そんな日に人間がお寺の入口で邪魔していた為、「何だ、こいつは邪魔な奴がいる、こいつも連れてっちまおう」などと話していたのではないかと結論になったそうです。
旅行から帰ったその友人は見てきた恐ろしさに一週間寝込んでしまったそうです。
みなさんも『お盆の地獄の釜が開いている時』には気をつけましょうね。
コメント